コンサルタント解説

2020.09.01

人ではなく、AIに評価されたい? ~人材育成と人事評価

\私が解説します!/

みらいコンサルティンググループ 吉田 慶太

「人がなかなか育たないから、人事評価の仕組みを取り入れたい」

そんな相談がよく寄せられます。
では、人事評価制度によって人財は育つのでしょうか。

答えは「育つも育たないも、制度を使う人次第」です。
制度をうまく活用できたなら、活動の振り返りや将来への期待の合意を通して、人材の成長サイクルを回すことができます。逆に使い方を誤れば、人が育つどころか不満が募り、組織自体が壊れてしまう可能性すらあります。

人事評価制度は「仕組み」であり、「誰が」「どのような意識を持って(どのような目的を持って)」使うかによって結果はまったく異なります。

評価する者とされる者、両者がそれぞれ育成責任と成長責任を持たないまま、ただ過去を振り返るだけなら、いつかその制度は形骸化してしまうでしょう。

特に評価する者=マネージャー(上司)が日頃、どれだけメンバー(部下)の成長にコミットしようとしているか。どんなに精緻に作られた人事評価制度も「このマネージャーには評価されたくない!」という関係性ではうまくいくはずがありません。
重要なのは評価そのものではないのです。

人が人を評価することは確かに難しく、「AIが人事評価をする時代がやってくる」とも言われています。もしかしたら本当にそうなるかもしれません。しかし、AIも十分なデータなくしては無用の長物。メンバーの氏名だけ打ち込んだところで、その行動記録や成果が不明なら、何も答えは出せないのです。

人事評価にはデータ=行動や成果についての正しい記録が必要です。さらに「人が育つ組織」においては、ただ観察・記録するのではなく、育成責任者としての役割意識をもったマネージャーが、実際にその役割を全うするために行動しているかどうかがカギとなるでしょう。

さて、私自身はメンバーから「AIの評価のほうが信頼できる」なんて思われていないか…?そんな疑問がいざ評価の時期に心に浮かばぬよう、育成責任者としての役割をしっかりと果たしていきたいところです。